月刊・デンタルニュース

(平成24年2月号)

皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
医療法人社団寛麗会理事長の江波戸寛です。
歯が無ければ、食事の時に食べにくくなります。例えば。奥歯を1本失うだけで咀嚼効率は40%も低下します。 その他にも“しゃべる”つまりきちんと発音するためには歯が必要ですし、入れ歯を使わないと口元のしわが 増えて老人性表情が強くなります。健康と美容の両面から考えても、失った歯を入れ歯などで補うことはとても 重要なことです。訪問診療の場合、設備などの関係もあるので、患者さまのご希望と口腔状況に応じて、入れ歯 かブリッジという治療が中心になります。
そこで今月は「入れ歯」について情報をお届けしたいと思います。

1.生きるために欠かせない“歯”

野生動物では「歯を失うこと」=「生きていけない」ということを意味します。
ヒトは失った歯の代わりとなる器具として早くから入れ歯を使っていて4500年前の古代エジプト時代には既に存在していたことがわかっています。

2. よくある入れ歯の問題

訪問診療では、その8割位が入れ歯に関する治療ですが、次のような入れ歯をよく見かけます。

①入れ歯がすり減っている

②金具がゆるんでいる

③カンジダ菌などが繁殖して汚れている

患者さまにお聞きすると元気な時(10~20年前)に作ってから、その後一度も点検したことがないとのこと。入れ歯を使い始めたら、身体の変化と共に入れ歯も合わなくなってきますから、その都度調整を重ね、時には新しく作り替える必要があります。
できれば半年に1回程度の頻度で、歯科医師によるチェックを受けることをおすすめします。


3. 新しく入れ歯を作れるの!?

訪問診療でも入れ歯を作ることができます。もちろん保険適用です。患者さまの身体状況やお口の中の状態にもよりますが、制作開始から5回前後で完成となります。(1割負担の患者さまが新しく上と下の総入れ歯を作る場合の自己負担金は、1万5千円位となります) 完成後、実際に使っていただきながら、当たって痛い所などの調整を3~4回行います。


『個人トレー作成』⇒『型をとる』⇒『噛み合わせ』⇒『試着して形や色を確認』
⇒『完成した入れ歯をセット』⇒『調整』


歯が抜けた部分をそのまま放置すると、残っている歯が傾くなどして、治療が難しくなることがありますから、早めに受診して下さい。


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