月刊・デンタルニュース

(平成25年1月号)

入れ歯の治療は簡単に言えば、型をとって入れ歯を作って終わり、というものになります。しかし出来上がったばかりの入れ歯がそのまますぐ元の自分の歯のように使えるということではありません。調整や慣れが必要になるからです。ぴったり合っている入れ歯なら「入れ歯がないと食べにくい」と感じる位にまで慣れるものです。しかし長年使われていた入れ歯でも必ず不具合は出てきます。痛い、話しにくい、外れるなどいろいろな不具合がありますが、症状によって対応方法は異なります。
そこで今月は、「合わない入れ歯の対応方法」についての情報をお届けしたいと思います。

対応方法は3つ!!

はじめて入れ歯を入れたとき、または長く使っていると、違和感や不具合を感じることがあります。
そんな時の対応方法は、
①調整する
②慣れるまで待つ
③新しい入れ歯を作る
の3つに大別できます。

1.調整する

新しく完成したばかりの入れ歯では、ほとんどの方に痛みが出ますし、慣れることもありませんので、我慢せず歯科医師に伝えてください。入れ歯を削って調整します。原因は入れ歯の素材は完成したときに少し小さくなって出来上がる性質があるためです。これはうまく型をとって作製したとしても避けることができません。そのため完成後に、少し削って調整しないと入らないのです。個人差はありますが、平均すると3回~6回位の調整が必要です。

2.慣れるまで待つ

新しく作った場合によくあるのが、異物感、噛みにくい、話しにくい、味がわかりにくい、熱を感じにくい、頬や舌を噛む、などです。実は、これらの症状については、基本的に慣れるまで待っていただいています。入れ歯事自体が少し厚みのある樹脂でできていることや、元々歯がな無かった部分に頬や舌が入り込むのが普通になっている(慣れている)ため、入れ歯を入れた当初には、上記のような違和感を感じます。しかし2~3週間で慣れて解消することがほとんどです。ギュッと噛めるようになれば大丈夫です。

3.新しい入れ歯を作る

作ってから数年経過した入れ歯で、痛い、落ちる、ゆるい、外れるといった症状がでる場合は、お口の中のいろいろな所が変化していることが原因です。どういうことかと言いますと、歯ぐきの形の変化、入れ歯がすり減って咬み合わせが変る、舌や頬の筋肉や咬むための筋肉が低下して痩せるなどでいわば、入れ歯がぶかぶかの状態になっているのです。この場合は、特殊な材料を使って一時的に調整することもできますが、基本的には、新しい入れ歯を作った方が良いかと思います。

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