月刊・デンタルニュース

(平成27年3月号)

ここ数年、冬から春先にかけてスーパーのヨーグルトコーナーから商品が消える騒ぎが続いてます。
この年末年始はインフルエンザが流行したため、インフルエンザ予防の効果を持つヨーグルトが飛ぶように売れています。また春先は、国民の5人に1人が罹患していると言われる花粉症の時期。 今度は花粉症の症状を緩和するヨーグルトが品薄になるかも知れません。 これらのヨーグルトには、腸内の細菌バランスを改善することによって免疫力を高めたり アレルギーを抑える働きを持つ、生きた乳細菌が含まれています。 このように健康に良い影響を与える微生物が生きた状態で含まれている食品をプロバイオティクスと呼びます。
そこで今月は、『お口に効くプロバイオティクス』の話題をお届けしたいと思います。

1.細菌バランスを整えて病気を防ぐ?

私たちの消化器官には、常在菌と呼ばれる様々な細菌が生息しています。善玉菌、悪玉菌、日和見菌の 3つに分類でき、お互いに縄張り争いをしています。プロバイオティクスは善玉菌を増やして私たちの 身体を健康にします。インフルエンザや花粉症以外にも、
①便秘・下痢の改善
②メタボ改善
③胃のピロリ菌減少
④ノロウイルス感染予防等、
多くの効果が実証され、すでに市販されています。そのほとんどは、特定の乳酸菌 を含む乳製品です。それは、乳酸菌が強い抗菌物質を産生して悪玉菌を減らすにも関わらず、自身は過剰に増え 過ぎない性質を持つので適度な細菌バランスに整えることができる安全性の高い微生物だからです。

2.お口の中もプロバイオティクス!

ところで消化器官と言えば、口もその一つです。口腔内には700種類、100億個以上もの細菌が生息しています。実は口腔の健康に対しても有益なプロバイオティクスがあります。やはり乳酸菌(L8020菌やTI2711菌)を使用したヨーグルトやタブレット(錠剤)でむし歯と歯周病に対する効果が人における実験で確認されています。要介護の方は、入れ歯や様々な治療による被せ物・詰め物があり、毎日の歯磨きをしっかりやっていても、むし歯・歯周病・誤嚥性肺炎が心配です。 これらはお口の中の悪玉菌である、むし歯菌(ミュータンス菌等)、歯周病菌(ジンジバリス菌等)、誤嚥性肺炎菌(アウレウス菌等)、 が引き起こす感染症です。長い間、お口に生息している常在菌なので、完全に除菌することはできません。 細菌は主に歯垢の中に生息しているので、歯磨きで歯垢を除去して細菌数を少ない状態に維持できれば、これらの病気は発症しません。しかし要介護等で磨き残しが多い場合、病原菌が増殖して病気が進行していきます。こんな時は口腔内の病原菌を減らす効果のあるプロバイオティクスを上手に使ってみてはいかがでしょうか。ただしプロバイオティクスはあくまで毎日の歯磨きを補うケアの一つだということを良く理解しておく必要があります。

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