月刊・デンタルニュース

(平成27年8月号)

今月は『酸触歯(さんしょくし)』についての情報をお届けしたいと思います。
ここ数年、夏季の気温が35℃を超える猛暑日も珍しくなくなり、“観測史上最高気温を更新” というニュースも毎年のように聞くようになりました。
やはり地球温暖化の影響なんでしょうか?今年も熱中症対策が欠かせない夏になりそうです。
汗によって失われる水分と塩分をこまめに 補給することが熱中症予防に効果的と言われることから、スポーツドリンク を飲む機会が増える時期です。
また近年は、健康志向の高まりや疲労回復に効果が高いと言われる 黒酢や梅干、老化を防ぐ赤ワイン、美容と健康に良いとされるビタミンC等の消費が増えています。 しかしこれらのものは強い酸性で、歯にとっては注意が必要です。

1.最近増えている酸蝕歯、むし歯とは違うの?

飲食によって口の中が酸性(pH5.5以下)に傾くと、歯の表面のミネラル成分(カルシウムやリン)が 溶け出します。これを脱灰(だっかい)といいます。そして食後、口の中が中性へと戻っていくと、唾液中に溶け出していたミネラル成分が歯に戻ります。 これを再石灰化(さいせっかいか)といい、飲食の都度、脱灰と再石灰化を繰り返しています。 酸蝕歯とは、飲食物に含まれる酸にたびたび長い時間さらされることで、脱灰が再石灰化を上回り 歯の表面が溶けることです。むし歯菌によって糖からつくられた酸が原因のむし歯とは違い、 酸蝕歯の場合には、むし歯菌は関与せず、飲食物に含まれる酸が原因となります。歯の表面のエナメル質が 溶けると、象牙質が露出して黄色く変色したり歯が薄くなったりクレータ状の穴があいたりしてしまいます。 自覚症状のある知覚過敏をきっかけとして、歯科を受診することが多いです。

2.予防・対策

歯のミネラル成分が溶け出すのはpHが5.5以下の時です。まずは強い酸性の食品を知っておきましょう。

次に食生活の習慣改善です。口の中を長時間、酸性状態にしないようにするのがポイント。
①だらだらと飲食しない
②強い酸性の飲料はストローを使う
③飲食後は水やお茶で口の中を中性に戻す等です。
また食後に歯が再石灰化するには1時間位必要なので、歯磨きは時間をおいてから、やわらかめの歯ブラシで磨きましょう。フッ素入り歯磨剤や再石灰化を促すガムも予防に効果的です。

3.治療方法

象牙質まで露出している場合は、基本的に治療が必要となり、知覚過敏の処置、プラスチックのレジンを充填する、被せ物をするといった治療になります。

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