(平成30年6月号)

介護の現場では、基礎疾患や全身の管理が優先課題となり、「口の中まで手がまわらない」 ということがありました。しかし、厚労省の推進している地域包括ケアシステムが整備されて、 日常的口腔ケアと歯科の専門的口腔ケアを上手く取り入れる”両者の連携”が可能となり、 要介護の方のQOLの向上に結びつくようになってきました。要介護者に対してどれぐらい 在宅歯科医療が実施されたかという充足率を見ると、平成17年の3.6%に対し、平成26年には7.4%と 10年間で倍増したことは、連携が取れるようになってきた結果だと思います。 多くの方の在宅療養を支える一つの柱として、訪問歯科は重要視されています。 今月は、『身近な医療サービス訪問歯科』についてご紹介したいと思います。

Q. 訪問歯科診療とは…?

歯科医師が患者様のご自宅や施設まで訪問して、歯の治療や口腔ケアを行う歯科診療のことです。 お身体が不自由等、通院が困難な方が対象です。生活保護の方も受診できます。 「仕事が忙しくて」「子供が小さくて」等の場合は、残念ながら対象外となっています。

Q. どんな治療が出来るの?

むし歯、入れ歯の新製や修理、歯抜、歯周病治療、お口の清掃口腔リハビリ等、診療所と同じ治療が可能です。 介護している方には、患者様に合った口腔ケア方法を指導します。

Q. どんな機材で治療するの?

訪問歯科用に開発された、歯を削る機材、入れ歯を調整する機材、口の中に溜まった唾液を吸い取る機材等が あります。


Q. 受診時は、何を準備すればいい?

水や電気のコンセント程度で、特にご用意いただくものはありません。 普段ご使用の椅子やベッドに腰掛けていただき、楽な姿勢で受診できます。

Q. 訪問できる範囲はどこまで?

診療所から半径16㎞の範囲まで認められています。事前に各診療所へご確認下さい。

Q. 治療費はいくら位かかるの?

外来と同じ保険診療です。保険の種類により自己負担金額は多少異なります。(生保の方のご負担は無し)

治療内容             自己負担の目安※
総入れ歯(上下)を作成      15,000円位
むし歯を1本つめる          1,500円位
入れ歯の修理や調整         1,400~3,000円位

※居宅では介護保険のご負担が別途あります。
治療内容等により金額は変わることがあります。

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