(2019年11月号)

居宅要介護者は、要介護度が軽い場合でも栄養状態が良くない傾向にあります。日清グループが2016年に実施した居宅要介護者を対象に行った低栄養に 関するアンケートでは、「言葉はして散るが意味は知らない(38%)」「言葉も知らない(36%)」と、実に全体の74%が低栄養の意味を知らないと回答しています。 体重減少が緩やかに進行する場合が多いという背景もあり、ご本人も介護者も栄養についてはなかなか気付けず、その結果、栄養介入が行われる時には すでに極度の栄養不良で、栄養介入の効果が期待できないというケースが多いのが実情です。早期発見・早期治療がとても重要です。 そこで今月は『居宅・施設・病院での歯科健診』のご案内です。

■摂食嚥下障害が大きなリスク・

居宅療養高齢者1,142名の栄養障害の原因について調査した研究(日本老年医学会雑誌、榎等、2014)があります。これによると、下記の5つの項目が 栄養障害を引き起こすリスク因子であると報告しています。
①ADL(日常生活動作)のスコアが低い
②訪問診療・訪問介護の利用がある
③過去3ヵ月間に入院歴がある
④摂食嚥下に問題がある
⑤認知症がある
特に、④摂食嚥下は低栄養との関連が深く、重症度の段階が軽度であれば介入効果が高いものの、重症化した障害の場合には摂食嚥下の改善が難しく なります。特に70歳以上の高齢者では、摂食嚥下障害の有無が、生存率に影響するという報告があります。医療スタッフが常駐していない居宅では、 できるだけ定期的に摂食嚥下の確認を行う必要があります。

医療法人社団寛麗会では、通院が困難な在宅療養・入所・入院中の方を対象に、訪問による歯科健診を行いますので、お気軽にご利用ください。

■お申し込み及び実施手順


①『歯科健診申込書』に必要事項をご記入の上、当院までFAXを送信してください。
歯科健診申込書』←(ダウンロードください)
②折り返し、当院からお電話をいたします。その際に健診日時を調整します。
※お電話でのお申込みも可能です。
③居宅又は施設に訪問して歯科健診の実施。
どんなことでもお気軽にご相談ください。
④後日、歯科健診結果票をお渡しいたします。
※悪い所が見つかった時は、早期に治療する事をおすすめします。訪問診療を行っている歯科医院を知らない時は、 当院が訪問することも可能です。保健診療ですので、お気軽にご相談ください。

実施期間:10月中旬~11月末頃まで
内 容 :問診及び口腔内診査等
場 所 :居宅・施設・病院
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